研究課題
銀河ガス円盤の3次元磁気流体数値実験結果によって得られた物理量を用いて観測的可視化を行った。ファラデーデプスの解析とそれを元に各位置での偏波角を求めた。各位置での偏波角からストークスパラメータを求め、シンクロトロン放射や偏波放射強度などの観測結果を得た。この時、偏波解消のモデルとしてBurn則を、宇宙線電子密度はガス密度に比例し、エネルギー等分配を仮定している。その結果、数値計算結果を系外銀河と見立てた場合、8GHz程度の高周波数帯では、ガス円盤の渦状磁場構造を反映した結果がえられる事を示した。更に数百MHz帯を用いた観測では、偏波解消によって磁気渦状構造は消偏波する一方で、希薄なハロー磁場をトレースした結果が得られる事を示した。更に、同じ数値計算結果を天の川銀河と見立てて、銀河中心から8kpcにある太陽系から全天を観測した。数値計算から得られる磁場構造は、鉛直方向磁場のエネルギーは方位角方向磁場の数%程度に過ぎないが、ストークスパラメータから導かれる磁場の方向は鉛直方向磁場が支配的である事を示していた。この結果は、電波観測から示唆される構造と一致している。この結果が意味する事は、シンクロトロン放射の偏波角から得られる磁場構造は見かけの効果を強く反映する事を示唆している。実際に星やダストからの赤外線放射の観測から得られる結果は赤道面に水平な磁場が支配的である事を示唆しており、観測結果と矛盾しない結果である。天の川銀河は中心から3kpc程度までバー構造が支配的である事が知られている。そこで、バーの効果が銀河磁場にどのような影響を与えるかを調べた。その結果、バーによる非軸対称なポテンシャルの歪みの効果によって、質量降着率が増大する事、密度渦状構造が誘起された箇所に衝撃波が発生する事などが示された。
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Japanese SKA Cosmic Magnetism Science
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