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2012 年度 実績報告書

球状星団の化学元素組成に基づく宇宙初期の銀河系形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23740162
研究機関国立天文台

研究代表者

石垣 美歩  国立天文台, ハワイ観測所, 研究員 (30583611)

キーワード球状星団 / 銀河系形成 / 化学力学進化
研究概要

銀河系には星々が密に集まった天体である球状星団が付随しており、現在のところ150以上が知られている。球状星団に付随する星々の多くが古い年齢をもち、銀河系ができ始めて間もない頃に形成されたと考えられているが、その起源についてはまったく分かっていない。これらの球状星団の星々の表面大気の化学組成、銀河系内での空間分布や軌道運動は銀河系形成初期の状態を反映しているとされ、銀河系形成史を解く鍵として注目を集めている。本研究ではこうした球状星団の個々の星々について分光観測を実施しこの星団の起源を探るとともに、同じような年齢をもつ銀河系恒星系ハローの星々との化学組成を比較することで銀河系形成史への制限を得ることを目指した。銀河系恒星系ハローの星々については、およそ100個の天体についてさまざまな元素の組成を決定し、結果を論文にまとめた。球状星団では、注目すべき天体としてPalomar 5という恒星ストリームが付随する特異な球状星団を選んだ。こうした星団は、銀河系が進化していくなかで外部から取り込まれた矮小銀河が起源である可能性が指摘されており、その化学元素組成を恒星系ハローと比較することで、星団が生まれた環境での元素合成史、およびそれが銀河系へ取り込まれる過程を知る手がかりとなる。我々はハワイ、マウナケア山にあるすばる望遠鏡(有効口径8.2メートル)を用いて、Palomar 5とそのストリーム領域にある星々について視線速度の測定を行い、この球状星団に付随する可能性の高い星々を同定した。その際、取得したスペクトルに含まれるカルシウムの吸収線の強度を使って、星団本体と重元素の組成が近い星々を、ストリーム領域でも同定した。同定された星々は、今後すばる望遠鏡によるより高い波長分解能での観測を行い、化学組成解析とより精度のよい視線速度を測る予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Chemical Abundances of the Milky Way Thick Disk and Stellar Halo. I. Implications of [α/Fe] for Star Formation Histories in Their Progenitors2012

    • 著者名/発表者名
      Ishigaki, M. N.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 753 ページ: 64-82

    • DOI

      10.1088/0004-637X/753/1/64

    • 査読あり
  • [学会発表] Chemical differences and similarities among the kinematically selected thick disk, inner halo and outer halo stars2013

    • 著者名/発表者名
      Ishigaki, M. N.
    • 学会等名
      IAU Symposium No. 298, Setting the Scene for GAIA and LAMOST
    • 発表場所
      Lijiang(中国)
    • 年月日
      20130520-20130524
  • [学会発表] Radial velocity measurements of the Palomar 5 tidal tails with Subaru/FOCAS2013

    • 著者名/発表者名
      Ishigaki, M. N.
    • 学会等名
      Subaru Users meeting
    • 発表場所
      NAOJ(東京都)
    • 年月日
      20130115-20130117

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公開日: 2014-07-24  

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