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2013 年度 実施状況報告書

超対称ゲージ理論における非局所的演算子と経路積分

研究課題

研究課題/領域番号 23740168
研究機関東京大学

研究代表者

奥田 拓也  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (90595646)

キーワード超対称性 / Dブレーン / 局所化
研究概要

2013年度には、2次元半球面上のN=2超対称ゲージ理論にB型超対称性を保つ境界条件を課した系を研究した。汎関数積分つまり分配関数を局所化の手法により計算し、パラメータに対する依存性を決定した。境界条件はDブレーンを表しており、低エネルギーで理論がある種のコンパクトなカラビ・ヤウ多様体のシグマ模型を実現する場合には、我々の論文(と同時期に発表された堀氏とRomo氏の論文)は分配関数が4次元N=2超対称理論での粒子の中心電荷を表すことを示した。また2次元のサイバーグ的双対性を考え、分配関数が双対性変換のもとで不変である場合と簡単な式に従って変換をする場合があることを見つけた。N=4対称性を持つある種のゲージ理論には、可積分なスピン鎖模型との関係があることが知られており、ドメインウォールが場の理論の持つ隠れた対称性を実現する可能性がNekrasovとShatashviliにより示唆されている。我々は実際に、SL(2)アフィン・ヘッケ代数を実現するドメインウォールを構成してみせた。他の代数についても類似の構成が可能なはずである。2次元理論のドメインウォールは、4次元ゲージ理論の2次元表面演算子に線演算子が束縛した状態と考えることもでき、AGT関係を介して戸田共形場理論の線演算子とも同一視できることを示した。この研究は大学院生の本田大悟氏と共同で行った。
これらの結果について、イタリアのICTP、カナダのPerimeter研究所での研究会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

4、3次元理論での非局所的演算子に続いて、2次元理論での非局所的演算子であるドメインウォールについての局所化計算に成功しており、順調に研究が進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

引き続き2、3、4次元での非局所的演算子の性質について調べていく。3次元ループ演算子については、物性系との関係を調べる。2次元理論のドメインウォールが実現する他の対称性を調べる。

次年度の研究費の使用計画

次年度に引き続き超対称ゲージ理論でのドメインウォールや境界の研究を行い、研究会などでその成果を発表する予定。未使用額をその経費に充てたい。
平成25年度に、半球面や球面上での二次元超対称ゲージ理論でのドメインウォールや境界に関する厳密な結果を得たが、これにより当初の研究計画を変更して、ドメインウォールの幾何学的な役割や、可積分系との関連をさらに深く調べる必要が生じたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Scheme dependence of instanton counting in ALE spaces2013

    • 著者名/発表者名
      Yuto Ito, Kazunobu Maruyoshi, and Takuya Okuda
    • 雑誌名

      JHEP

      巻: 045 ページ: 1305

    • DOI

      10.1007/JHEP05(2013)045

    • 査読あり
  • [学会発表] Exact results for boundaries and domain walls in 2d supersymmetric theories

    • 著者名/発表者名
      Takuya Okuda
    • 学会等名
      ISAQS2014
    • 発表場所
      基礎物理学研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] Exact results for boundaries and domain walls in 2d supersymmetric theories

    • 著者名/発表者名
      Takuya Okuda
    • 学会等名
      PHYSICS AROUND MIRROR SYMMETRY
    • 発表場所
      Perimeter Institute for Theoretical Physics
    • 招待講演
  • [学会発表] Hemisphere partition function, domain walls, and algebras

    • 著者名/発表者名
      Takuya Okuda
    • 学会等名
      Workshop on Geometric Correspondences of Gauge Theories
    • 発表場所
      The Abdus Salam International Centre for Theoretical Physics
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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