超弦理論とその強結合領域を記述するM理論において、ゲージ理論と重力理論のホログラフィー対応を用いて、古典重力を超えた量子的な重力の補正を調べることができる。この研究では、4次元の反ド・ジッター時空上のM理論に現れる量子補正を、そのゲージ理論側の双対である所謂ABJM理論の分配関数の計算から解析した。その結果、重力の摂動的なループ補正に加えて現れる非摂動的な補正についての詳細な理解が得られた。この非摂動的な補正には世界面のインスタントンと膜のインスタントンの2種類があり、その係数を結合定数の関数として完全に決定することができた。これはM理論の非摂動的な理解への重要な一歩であると考えられる。
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