• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

真空構造の解析によるレプトンフレーバーと超対称性の破れの起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23740190
研究機関新潟大学

研究代表者

下村 崇  新潟大学, 理学部, 特任助教 (00447278)

キーワードレプトンフレーバーの破れ / 真空構造 / 超対称性 / 電弱対称性の破れ
研究概要

いくつかの超対称模型で超対称性の破れとニュートリノの質量、レプトンフレーバーの破れに関して解析を行ないました。特にLHC実験で発見されたヒッグス粒子の質量の値を説明しえ、かつニュートリノの小さな質量を超重力の効果によって与える事が出来る新たな模型を構築しました。そして、それによって引き起こされうる陽子崩壊に対する制限から模型のいくつかのパラメーターを制限しました。さらにこの模型では超対称性が二カ所で破れている事に起因した、新たな暗黒物質の候補を予言します。この研究はニュートリノの質量の新たな生成機構と新たな暗黒物質の候補を提案したものであり、その機構の下で暗黒物質の残存量とレプトンフレーバーの破れの大きさがどの様になっているかを真空構造の観点から調べて行く事が今後必要となります。一方で、最小超対称標準模型において、宇宙観測から示唆されているLi問題を解決しうるパラメーターに着目して解析を行ない、ヒッグスの質量やLHC実験における新粒子探索と無矛盾なパラメーター領域を決定しました。さらに最小超対称標準模型と同様の解析を、次最小超対称標準模型においてレプトンフレーバーの破れの効果も考慮に入れて行い、Li問題を解決し得る状況でのレプトンフレーバーの破れの大きさに対する制限を与えました。これらの研究は観測と実験結果をもとに模型のパラメーターの許容領域を解明らかにしたものであり、次のステップとしてレプトンフレーバーの破れと超対称性の破れに関して真空構造の観点から解析を行なう必要があり、現在解析中です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究が目指す「超対称性模型の真空構造の解析からレプトンフレーバーの破れと超対称性の破れの起源の解明」に向けて、有望な模型において加速器実験と宇宙観測の制限をもとに解析を行ないました。これにより真空構造の解析による制限を与えるための準備が整い、今年度から本格的な解析を行なう事が出来る様になりました。また現在進行中ですが、数値計算を用いた真空間の遷移寿命計算を開始しており、より詳細な解析結果を今年度中に纏める事が出来ると考えています。

今後の研究の推進方策

これまでの結果をもとに、数値計算によってレプトンフレーバーの破れと超対称性の破れに関して真空構造の解析を行ないます。さらに真空間の遷移寿命の計算も同時に行ない、総合的に模型のパラメーターがどの程度制限出来るかを明らかにして行きます。また数値計算から得られた結果からパラメーター間の関係式を導出し、より多くの模型に適用出来る形で纏めて行きます。

次年度の研究費の使用計画

国際会議に出席する予定でしたが、別の予定が入りキャンセルしたため。
今年度に行なわれる研究会または国際会議に出席して研究発表を行なうために使います。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Neutrino Mass and Proton Decay in a U(1)R Symmetric Model2013

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Morita, Hiroaki Nakano, Takashi Shimomura
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical and Experimental Physics

      巻: 2013 ページ: 053B02

    • DOI

      10.1093/ptep/ptt016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First evidence of the constrained minimal supersymmetric standard model is appearing soon2013

    • 著者名/発表者名
      Yasufumi Konishi, Shingo Ohta, Joe Sato, Takashi Shimomura, Kenichi Sugai, Masato Yamanaka
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 89 ページ: 075006

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi