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2014 年度 実績報告書

精密宇宙観測および素粒子論に基づく初期宇宙進化の探求

研究課題

研究課題/領域番号 23740195
研究機関佐賀大学

研究代表者

高橋 智  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432960)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード初期宇宙 / 密度揺らぎ / インフレーション / 重力波
研究実績の概要


今年度は、2014年に発表されたBICEP2による原始重力波の観測結果を受けて、原始重力波の振幅が大きい場合にどのような原始密度揺らぎの模型、および初期宇宙進化史が考えられるか、そしてどのようなモデルが排除されうるかに関する研究を主に行った。
その中の研究のひとつとして、断熱揺らぎと相関をもった等曲率揺らぎに関するものがある。BICEP2から公表された原始重力波の振幅の大きさと、プランク衛星による観測を両方矛盾なく説明することは、標準的に考えられている模型のフレームワークでは困難であると考えられた。本研究では、断熱揺らぎと相関を持つ等曲率揺らぎ揺らぎを考えると、この困難を回避し得ることを、実際のBICEP2、およびプランク衛星の観測データを用いて具体的に解析を行うことにより議論した。また、BICEP2の示唆した原始重力波の振幅を仮定した場合、重力波のスケール依存性(特に、いわゆる「ブルー」なスケール依存性を持っている場合)に対して、現在の観測からどのような制限が得られるかについて詳細な研究を行った。さらには、将来の宇宙空間における重力波干渉実験(DECIGOなど)において、重力波の振幅のみならず、重力波スペクトルのスケール依存性がどの程度の精度で決定できるかに関しても詳細に調べた。スケール依存性に関しては、これまでに議論されていた。いわゆる通常のパワースペクトルのスペクトル指数のみでなく、さらにこのスペクトル指数のスケール依存性までも考慮して解析を行った。また、宇宙の再加熱温度に関しても、DECIGOなどの重力波干渉計を用いた際に、どのような場合に精度良く決定できるか等、詳細な解析を行った。
研究期間全体の研究を通して、様々なモデルにおいて生成される密度揺らぎの性質(パワースペクトル、非ガウス性等)に関する理解が深まり、初期宇宙進化史の解明へ向けて有用な結果が得られた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Blue-tilted tensor spectrum and thermal history of the Universe2015

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Kuroyanagi, Tomo Takahashi, Shuichiro Yokoyama
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 02 ページ: 003

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2015/02/003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Isocurvature perturbations and tensor mode in light of Planck and BICEP22014

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Kawasaki, Toyokazu Sekiguchi, Tomo Takahashi and Shuichiro Yokoyama
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 08 ページ: 043

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2014/08/043

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Affleck-Dine baryogenesis with R-parity violation2014

    • 著者名/発表者名
      Tetsutaro Higaki, Kazunori Nakayama, Ken’ichi Saikawa, Tomo Takahashi and Masahide Yamaguchi
    • 雑誌名

      Physical Review

      巻: D90 ページ: 045001

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.90.045001

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Probing lepton asymmetry with 21 cm fluctuations2014

    • 著者名/発表者名
      Kazunori Kohri, Yoshihiko Oyama, Toyokazu Sekiguchi and Tomo Takahashi
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 09 ページ: 014

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2014/09/014

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Thermal effects and sudden decay approximation in the curvaton scenario2014

    • 著者名/発表者名
      Naoya Kitajima, David Langlois, Tomo Takahashi, Tomohiro Takesako and Shuichiro Yokoyama
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 10 ページ: 032

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2014/10/032

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] CMB mu distortion from primordial gravitational waves2014

    • 著者名/発表者名
      Atsuhisa Ota, Tomo Takahashi, Hiroyuki Tashiroc, and Masahide Yamaguchi
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 10 ページ: 029

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2014/10/029

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Studying inflation with future space-based gravitational wave detectors2014

    • 著者名/発表者名
      Ryusuke Jinno, Takeo Moroi and Tomo Takahashi
    • 雑誌名

      JCAP

      巻: 12 ページ: 006

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2014/12/006

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Studying the inflationary Universe with gravitational waves2014

    • 著者名/発表者名
      Tomo Takahashi
    • 学会等名
      JGRG 24
    • 発表場所
      Kavli IPMU
    • 年月日
      2014-11-14 – 2014-11-14

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公開日: 2016-06-01  

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