最近の超弦理論の研究から、超対称性を持つゲージ理論(超対称ゲージ理論)が初期宇宙や量子重力理論といった問題にアプローチするために鍵となることが明らかになりつつある。本研究は、この成果を受け、超対称ゲージ理論を数値的に調べるための方法論を確立することを目的として行われた。 本研究によって、2次元超対称ゲージ理論の数値計算のために構築されたアルゴリズムの中でも、特に杉野模型が有用であることが明らかとなった。そして、杉野模型が本来持っていた、非物理的な真空を多数持つという欠点がエレガントな方法で解消され、数値計算に基づいた超対称ゲージの研究の基礎を築くことに成功した。
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