研究課題/領域番号 |
23740207
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研究機関 | 山梨英和大学 |
研究代表者 |
高橋 弘毅 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (40419693)
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キーワード | 宇宙物理 / 計算物理 / 相対論 / 重力波 |
研究概要 |
平成24年度は、平成23年度の研究成果を受け、 Empirical Mode Decomposition (EMD) あるいは Hilbert Spectral Analysis (HSA) で利用している計算アルゴリズムを見直して、計算精度と計算速度の向上をめざし、プログラムのプロファイリングを行い、プログラムの全面的な改良を行った。この部分はもっとも基本となる部分であるため、年度の前半に完成させた。 HHT解析では、まず、一種の high-pass filter を繰り返して適用する EMD を行う。これにより時系列データからノイズを除去するとともに、データを複数の周波数帯域モード (IMF: Intrinsic Mode Functions) に分解する。さらに、それぞれの IMF に対して Hilbert 変換を用いた HSA を行い、瞬時振幅や瞬時周波数の時間的変動を解析する。 EMD はその名の通り経験則的な手法であり、NASA グループや研究代表者らのこれまでの研究で、重力波データ解析においては、EMD の計算に必要ないくつかのパラメータの設定方法の重要性が明らかになってきたが、最適なパラメータは、信号やノイズの性質に依存する面がある。そこで、我々が取り扱う重力波検出器データに対するEMD パラメータの系統的なサーチを行なった。その結果を論文としてまとめ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Hilbert-Huang変換(HHT)を用いた解析をする際の基本的なプログラムやライブラリーなどのソフトウェアの整備やアルゴリズムの改良と計算プログラムの並列化は、当初の予定通り進んでいる。 EMD の計算に必要な最適なパラメータについても、重力波検出器のデータを想定し、系統的なサーチを行い、その結果をまとめ、論文として投稿し、順調に成果を出しつつある。 また、マッチドフィルタ解析との連携も模索を始め、国内外の学会や国際会議でもその進展状況を報告している。 さらに、国外の研究協力者と研究打ち合わせについては、電子メールやテレビ会議を利用した打ち合わせの回数を増やし、今のところ研究遂行は順調である。 以上を総合的に考慮し、研究目的を達成するための本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度、および、平成24年度の成果を受けて、HHT解析とマッチドフィルタ解析との連携方法のアルゴリズム確立をめざす。また、引き続きEMD あるいは HSA で利用している計算アルゴリズムを見直して、計算精度と計算速度の向上をめざす。 さらに、今までに得られた成果をもとに、HHT を用いた重力波検出のアルゴリズムを確立する。また、複数の重力波検出器のデータを連係させて検出効率と解析精度の向上を行うためのHHT 解析手法の開発も行う。 本年度は本研究の最終年度に当たる。研究結果を総括して、Web等を通じて社会、国民を含めて広く公表する。 また、今までに得られた結果、問題点、その解決策については、毎年行われる国際会議「重力波データ解析会議」などにて発表をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
NASA グループとの結果のクロスチェック・議論や対面での打合せのため、研究代表者がNASA に出向く。そのための旅費としても使用をする。 得られた結果、問題点、その解決策については、国内外で開催される学会やworkshop、特に12月に予定されている国際会議「重力波デ ータ解析会議」に参加し、発表を行うとともに、マッチドフィルタ解析などのデータ解析、数値相対論あるいは KAGRA (LCGT) 建設のコアメンバーなど、関連する研究者と議論し情報収集するための旅費としても使用をする。 その他、現在準備中の論文の投稿費や出版費、消耗品の購入なども予定をしている。
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