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2011 年度 実施状況報告書

間接水冷型超耐放射線電磁石の大型化

研究課題

研究課題/領域番号 23740217
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

高橋 仁  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60353372)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード耐放射線電磁石 / ビームライン
研究概要

2000Aまで安定して通電できる間接水冷型MICコイルを実用化するための技術確立を目的として、2000A級中実MICとSUSパイプを用いたコイル端末試験サンプルを設計、製作した。当初の予定では、試験サンプルの真空中通電試験を行うための機器を北カウンターホールにセットアップし、年度内に通電試験を開始することが初年度の目標であったが、東日本大震災による被害が予想よりも大きく北カウンターホールの天井クレーンが年末まで使えなかったため、装置のセットアップを年度内に完了させることは残念ながらできなかった。しかしその分、2年目に行う予定であった当技術を用いた電磁石全体の具体的な設計を前倒しで行った。さらに、当該電磁石を用いた新しい高運動量粒子分別2次ビームラインとそれを使った物理実験を設計、提案した。このビームラインと実験は、現在検討が進められているJ-PARCハドロン実験ホールの拡張計画において重要な構成要素の一つとして位置づけられ、さらなる設計、検討が続けられている。また、当技術の1次ビーム分岐取り出しへの応用も検討が開始された。これらのことは、本研究課題応募時に、「本研究課題の目的上、実際にビームラインを建設し、国内外のユーザーに高品質、高輝度のビームを提供することが最大の成果発信方法である」としたことを具現化するものであり、建設の概算要求が予定されている高運動量ビームラインの詳細設計が進んだことや、ハドロン実験ホールの拡張計画が具体的に動き始めたことは、原子核・素粒子物理学分野において非常に重要なステップである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東日本大震災による被害が当初予想していたよりも大きく、試験場所である北カウンターホールの天井クレーンが23年末になるまで使用できなかった。そのため、試験サンプルは製作したものの、通電試験のためのセットアップを行うのは年度明けとせざるを得なかった。しかしながら、当初2年目に行う予定であった、電磁石全体の設計や、それを用いたビームラインとそこでの物理実験の設計を前倒しで行ったため、研究期間全体では、本研究課題の目的は予定通り達成される見込みである。

今後の研究の推進方策

遅れている試験装置のセットアップをできるだけ早く完了させ、通電試験を開始することが現時点での最優先課題である。試験条件を変えながら数回通電試験を繰り返し、2000Aまで対応可能な間接水冷MICコイルの技術を確立させる。また、試験の結果を電磁石全体の具体的な設計に反映させると共に、それを用いたビームラインとそこでの物理実験の具体的な設計を進める。

次年度の研究費の使用計画

試験装置のセットアップには天井クレーンが必要であるため、研究費は主にクレーン操縦及び玉掛け作業の役務代として使用する予定であった。しかしながら、予想以上の東日本大震災の被害により装置のセットアップが次年度に持ち越されたため、当該作業代が次年度に繰り越されたものである。従って、次年度においては、研究費はそのままセットアップのために使用する。また、試験結果に合わせて試験サンプルの冷却効率を高めるための改良部品を製作する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Indirectly Cooled Radiation-Resistant Magnet with Slanting Saddle Shape Coils for New Secondary Beam Extraction at J-PARC Hadron Facility2011

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Takahashi et al.
    • 学会等名
      第22回電磁石国際会議 (MT22)
    • 発表場所
      フランス マルセイユ
    • 年月日
      2011年9月15日

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公開日: 2013-07-10  

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