研究課題
J-PARCハドロン実験施設において建設が計画されている高運動量ビームラインのため、内部に冷却水路持たない中実型の完全無機絶縁ケーブル(MIC)を用いた間接水冷型耐放射線コイルの大電流化を目的とした研究開発を行った。通電時最も高温となる導体接続部だけを切り出したテストピースを用意し、通電試験を行った結果、真空中においても、ブスバーの輻射率を上げることでDC1800Aまでの通電に成功した。さらに、電流リード部の間接冷却構造を見直すことで、十分安定な温度で2000A通電することに成功した。これは、従来のコイル定格電流1000Aの2倍であり、大きな進歩と言える。また、このような大型の超耐放射線電磁石を使った新しいビームラインの具体例として、粒子分離高運動量2次ビームライン「K10」を設計した。これは、拡張されたハドロン実験ホールにおける第2生成標的部に建設されることを想定した、最大10GeV/cまでの荷電2次粒子ビームラインである。粒子分離装置として長さ合計約30mの静電セパレータを使えば4GeV/cまでのK中間子や6GeV/cまでの反陽子のビームを提供することができ、超伝導RFセパレータを使えばそれ以上の運動量のビームを提供できる。そして、そのようなビームラインで実験可能となる物理テーマの一つとしてストレンジネス-3の研究を提案、特に、これまであまり研究対象にされてこなかった10重項バリオンの性質を、Ω粒子の生成や散乱を通して測定する実験を検討した。
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