天然には安定に存在しない原子核(不安定核)を含む広い質量数領域にある原子核の集団モードを微視的に記述するため,スキルム型エネルギー密度汎関数を用いた線型応答計算のコードを構築・整備し,大規模並列計算機を用いて系統的計算を遂行した。実験データが豊富にある希土類原子核における種々の応答計算から,用いるエネルギー密度汎関数の信頼性を確認し,更に巨大共鳴状態の性質から無限核物質の性質を引き出すことに成功した。また,中性子―陽子間の対相互作用を適切に選ぶことにより,変形した中性子過剰核のベータ崩壊率を定量的・系統的に記述できることを世界で初めて示した。
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