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2013 年度 実績報告書

光誘起相転移初期過程における超高速ダイナミクスの量子動力学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23740232
研究機関筑波大学

研究代表者

前島 展也  筑波大学, 数理物質系, 講師 (90390658)

キーワード光誘起相転移 / 強相関電子系 / 電子格子相互作用
研究概要

最終年度は主に、 2 軌道縮退ハバード模型における光励起状態のスピン・軌道相関に関する研究を行った。
近年、ペロブスカイト型遷移金属酸化物における光誘起現象に関する実験的研究が行われており、バナジウム酸化物RVO3(R はY もしくは希土類)に対する研究はその典型的な例である。LaVO3 に対するポンププローブ実験では、光照射による電荷ギャップ近傍の反射率スペクトルの急激な現象が報告され、それが長距離秩序の融解を示唆しているものとされたが、長距離秩序であるスピン・軌道秩序が実際に融解したのかもしくは別のタイプに変化したものかなど、光照射直後の状態の詳細については今まで明確に議論されていなかった。我々は2x2x2クラスター上の2軌道ハバード模型に対する厳密対角化計算を行い、光励起状態では、支配的なスピン・軌道相関が基底状態のものとは大きく異なることを明らかにし、その原因が基底状態と光励起状態とで異方性が大きく異なるためであることを示した。基底状態はz軸方向に強い相関を持つ状態であるのに対し、光励起状態はむしろxy平面内の相関が強いこと、またその原因がxy平面内で遍歴性をもつ光キャリアにあることがわかった。
研究期間全体では、他に (a)1次元スピン・パイエルス系におけるポーラロン、ソリトン状態の光学応答に関する研究を行い、オンサイトクーロン斥力Uの値によって多様なギャップ内状態が現れることや有機物質Rb-TCNQにおけるギャップ内吸収ピークの起源を明らかにした(b)擬1次元ハロゲン架橋錯体における光誘起ダイナミクスに関する計算を行い、光誘起相転移がおこる光照射強度に強い鎖間相互作用依存性があることを見出した、などの成果があった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 2軌道縮退ハバード模型における光誘起ダイナミクス2014

    • 著者名/発表者名
      井本文裕,前島展也,日野健一
    • 学会等名
      日本物理学会 第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学(神奈川)
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] 2軌道縮退ハバード模型における光励起状態のスピン・軌道相関II2013

    • 著者名/発表者名
      前島展也, 竹中光,日野健一
    • 学会等名
      日本物理学会  2013年秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学(徳島)
    • 年月日
      20130925-20130928
  • [学会発表] Spin and Orbital Correlations in Photoexcited States of Multi-Orbital Hubbard Models2013

    • 著者名/発表者名
      H. Takenaka, N. Maeshima and K. Hino
    • 学会等名
      SCES2013
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      20130805-20130809

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公開日: 2015-05-28  

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