今後の研究の推進方策 |
表面局在スピンと2次元電子の磁気的相互作用を明らかにした上で、薄膜磁性体をCr, Mn, Co, Niなどに拡張する。表面2次元電子の電気伝導をプローブにして、半導体表面に創製される磁気秩序状態の解明・探索を行う。 平成24年度後半は2次元超伝導体の研究を行う。2次元超伝導体は基板にGaAs劈開表面を用いて、鉛やビスマスを1原子層程度蒸着して作成する。基板の乱れを極限まで少なくした系において、乱れが2次元超伝導体に与える影響を系統的に研究する。さらに、鉛やビスマスを用いた系では強いスピン軌道相互作用により空間反転対称性が破れている。面内磁場を印加することにより空間反転対称性がない超伝導体の包括的な理解を目指す。液体ヘリウム温度では不十分な研究に関しては、上述の実験装置を用いて最適条件を見出した後、希釈冷凍機でその条件を再現し、冷凍機最低温度(~20mK)まで実験を拡張する。 得られた研究結果はその重要性を示すために、その都度学術論文雑誌への投稿、特許の取得を行う。さらに国内・国際学会での発表はもちろんのこと科学新聞、マスメディア、ホームページなどを利用し世界中に情報を発信する。
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