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2013 年度 実績報告書

人工原子クラスターにおけるスピン状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23740248
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

天羽 真一  独立行政法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (90587924)

キーワード量子ドット / 半導体 / 量子ビット / スピン
研究概要

本研究課題は、電子を数個閉じ込めることのできる人工原子を多数結合させることによって、人工原子クラスターとなる多重量子ドットにおけるスピン状態の解明を目指すものである。本年度は、研究課題の最終年度であるため、これまで得られた結果について報告することに注力すると同時に、新たに、4つの量子ドットが結合するデバイスの作成に成功した。本年度の研究業績は以下の通りである。
【1】3軌道を内包する2重量子ドットの高スピン状態によるスピンブロッケイドの解析結果を論文にまとめ報告した。特に、スピンブロッケイドで電流が閉塞するメカニズムや高スピン状態にたどり着くまでに必要なプロセスについて、詳細な検討を加えた。
【2】2つの量子井戸を持つ共鳴トンネル構造の結晶成長基板を用いて、並列に2つのピラーが並ぶ構造にエッチングした後、両側にゲート電極をつけ、直列2重量子ドットを並列に結合させた環状4重量子ドットの作成を行った。2つのゲート電極を十分負にかけると、電子数が0にまでたどり着くことができることを確認した。また、2つのゲート電圧の関数として、クーロン振動を測定すると、2重・3重量子ドットと似たハニカム構造が確認できた。また、片方のゲート電圧を十分負にして、一つのピラー内の電子数が0になっていると思われる領域であっても、クーロンダイヤモンドが閉じず、直列2重量子ドットと同様の崩れたクーロンダイヤモンドが確認できたことから、4重ドットが形成されている可能性があると考えている。
本研究課題の研究期間においてもっとも特筆すべき研究成果は、3軌道をもつ結合量子ドットで3電子のスピンブロッケイドが確認でき、そのスピンブロッケイドにたどり着く過程を明らかにした点であると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Spin blockade in a double quantum dot containing three electrons2014

    • 著者名/発表者名
      S. Amaha, W. Izumida, T. Hatano, S. Tarucha, K. Kono, and K. Ono
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B

      巻: 89 ページ: 085302

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.89.085302

  • [学会発表] 縦横結合4重量子ドットの電気伝導特性2014

    • 著者名/発表者名
      天羽真一、M. Delbecq、中島峻、大塚朋廣、大野圭司、D. G. Austing、 羽田野剛司、樽茶清悟
    • 学会等名
      日本物理学会 第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学 湘南キャンパス
    • 年月日
      20140329-20140329

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公開日: 2015-05-28  

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