研究課題
若手研究(B)
熱輸送係数を用いた重い電子系における量子臨界現象の解明を目的として研究を行った。その結果、Yb元素を含む2つの代表的な量子臨界物質β-YbAlB4とYbRh2Si2の量子臨界点近傍において、極低温下におけるゼーベック係数に非常に対照的な振る舞いを見出した。またYbRh2Si2に対する熱伝導率測定から、通常のフェルミ液体に期待されるヴィーデマン・フランツ則が量子臨界点において成立していることを明らかにした。これらの結果は、1)2物質の量子臨界性を同一の起源による統一的な枠組みで理解しようとする理論的な試みに反し、異なる起源によって引き起こされている可能性を指摘した点、2)YbRh2Si2の量子臨界点においてヴィーデマン・フランツ則の破れを予測するエキゾチックな理論的提案とは相容れないことを示した点において意義深い。これらの成果は、PhysicalReviewLetters誌に掲載された。
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Journal of the Physical Society of Japan
巻: 82 ページ: 054704
Physical ReviewLetters
巻: 109 ページ: 156405
Physical Review Letters
巻: 108 ページ: 157002
巻: 106 ページ: 217204
Physical Review Letters誌
巻: (掲載決定)