ネオジム化合物に現れる強力な非幾何学的フラストレーション効果の解明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23740265
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 物性Ⅱ
• 研究機関: 横浜国立大学
• 研究代表者: 綿貫 竜太 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (30396808)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 磁性 / ネオジム化合物 / 多極子 / 部分成分磁気秩序 / 4f電子系

研究概要

ネオジム化合物NdB4, NdCu2Si2およびNdCu2Ge2は、常磁性状態における非磁化容易軸方向の磁気モーメントの成分だけが独立して秩序化をしている極めて特異な磁気モーメント成分分離・部分成分磁気秩序状態という磁気的性質を示す。本研究では、その発現メカニズムの解明を試みた。磁化、比熱、弾性定数、共鳴X線散乱、中性子回折の各種実験を行い、実験結果の解析と平均場近似による理論計算との比較により研究を進めた。その結果、これらネオジム化合物に現れる部分成分磁気秩序は、通常の磁性体とは異なり主に磁気八極子相互作用によって引き起こされている可能性が高いことを突き止めた。

研究成果

• [雑誌論文] Powder neutron diffraction study of HoCoGa_5 (2013)
  • 著者名/発表者名: R. Kobayashi, K. Kaneko, S. Wakimoto, S. Chi, N. Sanada, R. Watanuki, and K. Suzuki
  • 雑誌名: Journal of the Korean Physical Society 巻: 63 ページ: 337-340
  • 査読あり
• [雑誌論文] Coexistence of Ising and XY Spin System on a Single Tb Atom in TbCoGa_5 (2013)
  • 著者名/発表者名: N. Sanada, Y. Amou, R. Watanuki, K. Suzuki, I. Yamamoto, H. Mitamura, T. Sakakibara, M. Akatsu, Y. Nemoto, and T. Goto
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 82 ページ: 044713 1-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Elastic Constants of NdCu_2Ge_2 (2012)
  • 著者名/発表者名: N. Sanada, T. Yoshioka, R. Watanuki, and K. Suzuki
  • 雑誌名: Journal of Physics : Conference Series 巻: 400 ページ: 032078 1-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Elastic Constants of DyRhIn_5 (2012)
  • 著者名/発表者名: N. Sanada, R. Watanuki, K. Suzuk
  • 雑誌名: Journal of Physics : Conference Series 巻: 391 ページ: 012099 1-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Probing Spin Chirality of the Equilateral Triangular-Lattice Antiferromagnet RbFe(MoO_4)_2 through Multiferroicity (2012)
  • 著者名/発表者名: H Mitamura, R Watanuki, N Onozaki, Y Shimura, S Kittaka, and T Sakakibara
  • 雑誌名: Journal of Physics : Conference Series 巻: 391 ページ: 012059
  • 査読あり
• [雑誌論文] Powder neutron diffraction study of TbCoGa_5 (2011)
  • 著者名/発表者名: R. Watanuki, N. Sanada, K. Suzuki, J. van Duijn, G. Andre
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 80 ページ: SA087 1-3
  • 査読あり
• [雑誌論文] Elastic properties of TbCoGa5 under magnetic field (2011)
  • 著者名/発表者名: N. Sanada, R. Watanuki, K. Suzuki, M. Akatsu, Y. Nemoto, and T. Goto
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 80 ページ: SA082 1-3
  • 査読あり
• [雑誌論文] NMR determination of noncollinear antiferromagnetic structure in TbCoGa_5 (2011)
  • 著者名/発表者名: Y. Tokunaga, Y. Saito, H. Sakai, S. Kambe, N. Sanada, R. Watanuki, K. Suzuki, Y. Kawasaki, and Y. Kishimoto
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 84 ページ: 214403 1-7
  • 査読あり
• [学会発表] 完全三角格子反強磁性体RbFe(MoO4)2の高磁場新規磁気相 (2013)
  • 著者名/発表者名: 三田村裕幸, 綿貫竜太, 河野洋平, 橘高俊一郎, 志村恭通, 天羽祐太, 小野崎紀道, 榊原俊郎, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学三島キャンパス
  • 年月日: 2013-09-25
• [学会発表] Ce^<1-x>Gd_xRu_2Ge_2 における磁気相互作用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 楠本俊明, 上杉航, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学三島キャンパス
  • 年月日: 2013-09-25
• [学会発表] 完全三角格子反強磁性体におけるスピンカイラリティ由来の強誘電の発生条件 (2013)
  • 著者名/発表者名: 三田村裕幸, 綿貫竜太, 天羽祐太, 小野崎紀道, 橘高俊一郎, 河野洋平, 志村恭通, 榊原俊郎, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学三島キャンパス
  • 年月日: 2013-09-22
• [学会発表] 部分成分磁気秩序における異常な帯磁率と八極子相互作用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 綿貫竜太, 眞田直幸, 野口亮, 吉岡智之, 近藤賢志, 楠本俊明, 鈴木和也, 森孝雄
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年第68回年次大会
  • 発表場所: 広島大学東広島キャンパス
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] 部分成分磁気秩序の形成―TbCoGa_5の典型的な部分成分磁気秩序― (2013)
  • 著者名/発表者名: 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年第68回年次大会
  • 発表場所: 広島大学東広島キャンパス
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] 結晶場基底状態に擬縮退を有する正方晶希土類化合物における部分成分磁気秩序形成と多極子相互作用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 鈴木和也, 眞田直幸, 綿貫竜太
  • 学会等名: 日本物理学会 2013年第68回年次大会
  • 発表場所: 広島大学東広島キャンパス
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] 部分成分磁気秩序物質TbRhIn_5 およびDyRhIn_5 のab 面内成分は磁気秩序をしめすのか? (2012)
  • 著者名/発表者名: 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也, 志村恭通, 榊原俊郎, 梅原出
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-21
• [学会発表] NdB_4 の弾性特性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 近藤賢志, 楠本俊明, 綿貫竜太, 鈴木和也, 森孝雄
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] RCoGa_5(R=Tb, Dy, Ho)の磁気構造解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小林理気, 金 子耕士, 脇 本秀一, Chi Songxue, 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] NdB_4 の八極子秩序 (2012)
  • 著者名/発表者名: 綿貫竜太, 野口亮, 近藤賢志, 楠本俊明, 鈴木和也, 森孝雄, 山内宏樹, J. van Duijn, Gilles Andre
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] パルス強磁場下における高精度磁気抵抗測定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 綿貫竜太, 三田村裕幸, 天羽祐太, 鈴木和也, 山本勲, 榊原俊郎
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-18
• [学会発表] 部分成分磁気秩序系TbCoGa_5,TbRhIn5, DyRhIn_5 の磁気相図 (2012)
  • 著者名/発表者名: 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也, 三田村裕幸, 榊原俊郎, 山本勲
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-18
• [学会発表] パルス強磁場下での高精度物性測定とその装置開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 天羽祐太, 綿貫竜太, 三田村裕幸, 小野崎紀道, 柏木周一, 山本勲, 鈴木和也, 榊原俊郎
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学常盤台キャンパス
  • 年月日: 2012-09-18
• [学会発表] RCoGa_5 (R=Tb, Ho)の磁気構造解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小林理気, 金 子耕士, 脇 本秀一, Chi Songxue, 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年第67回年次大会
  • 発表場所: 関西学院大学西宮上ケ原キャンパス
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] 希土類金属化合物RRhIn_5 (R=Tb, Dy)の部分成分磁気秩序 (2012)
  • 著者名/発表者名: 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2012年第67回年次大会
  • 発表場所: 関西学院大学西宮上ケ原キャンパス
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] Gd_2Te_5 の高圧下物性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 綿貫竜太, 加田野隼矢, 梅原出, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] DyRhIn_5 およびNdCu_2Ge_2 に出現する部分成分磁気秩序と軌道自由度の縮退との関係 (2011)
  • 著者名/発表者名: 眞田直幸, 吉岡智之, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] 非磁性希土類テトラボライドRB_4(R=Y, La)の磁気抵抗 (2011)
  • 著者名/発表者名: 中村拓真, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] 希土類テトラボライドRB_4 (R=Ce, Pr)の磁気抵抗 (2011)
  • 著者名/発表者名: 近藤賢志, 綿貫竜太, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] RbFe(MoO4)_2 の磁場中誘電分極測定III (2011)
  • 著者名/発表者名: 三田村裕幸, 綿貫竜太, 小野崎紀道, 志村恭通, 橘高俊一郎, 榊原俊郎, 鈴木和也
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-22
• [学会発表] TbCoGa_5 の磁気秩序のNMR/NQR による研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 徳永陽, 齋藤庸, 酒井宏典, 神戸振作, 眞田直幸, 綿貫竜太, 鈴木和也, 川崎祐, 岸本豊
  • 学会等名: 日本物理学会 2011年秋季大会
  • 発表場所: 富山大学五福キャンパス
  • 年月日: 2011-09-21
• [備考] 横浜国立大学低温物性研究拠点 ホームページ等
  • URL: http://low-temperature.ynu.ac.jp/