2つの正四面体が重心を共有して入れ子になった星型四面体が頂点共有で繋がった3次元ネットワーク「星型四面体格子」は、新しいタイプのフラストレート格子である。ηカーバイド化合物では磁性原子がこの星型四面体格子を組んでおり、新しい現象が期待できる。我々は、ηカーバイド化合物Fe3Mo3NとFe6W6Cの磁性を様々な実験手法(磁化、電気抵抗、熱伝導、熱膨張、磁歪などの各種マクロ物性測定とmuSR測定)を駆使して調べた。その結果、(Fe3Mo3N) 強磁性量子臨界現象とフラストレーション起源のスピン凍結現象の共存、(Fe6W6C) 星型四面体の2つの四面体に起源を持つ2段階スピン凍結現象、を発見した。
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