研究課題
若手研究(B)
本研究では,磁性クラスレートEu8Ga16Ge30の変調強磁性に着目し,磁性ゲスト原子のラットリングと磁性の相関について調べた。まず,常圧下でX線磁気円二色性(XMCD)の測定を行い,直流磁化の温度変化とよく一致することを確かめた。時間窓による違いはないことから,磁化に対するラットリングの寄与は小さいと思われる。また,X線吸収測定より,13 GPa付近でEuは中間価数へと転移し,アモルファス構造が安定化した。一方,キャリアドープした系では,飽和磁化の温度依存性がハイゼンベルグ模型による平均場計算とよく一致した。これらの結果より,変調強磁性構造は低いキャリア密度に起因することが明らかになった。
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