本課題では現実の物質の励起状態を第一原理により正確に求めることの出来るグリーン関数法プログラムの開発を行った。本手法は膨大な計算時間を要するために、取り扱うことのできる系のサイズは少数原子系に限られてしまっていた。一方で、本手法は現在のスーパーコンピュータのトレンドでもある大規模並列計算に適した手法であるために、並列計算向けにプログラム開発を行うことでより大規模な系の取り扱いが可能になる。そこで本課題ではOpenMPとMPIを用いたハイブリッド型の並列計算向けにプログラム開発を行った。本課題最終年度には、110原子系にたいして高精度光吸収スペクトル計算にも成功した。
|