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2012 年度 実績報告書

分子動力学計算による蛋白質水和水の水素結合組換えメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23740321
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

米谷 佳晃  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (80399419)

キーワード水 / 水素結合 / 生体分子 / 蛋白質 / 核酸 / 分子動力学
研究概要

水和水の水素結合の組換えは、溶液中の化学反応など化学現象だけでなく、生命現象も含めた多くの動的分子過程における基本過程である。水和水の水素結合組換えは、生体分子の構造変化に必須であり、分子会合や蛋白質のフォールディングの律促段階に関係していることが知られている。従って、水和水の水素結合組換えを分子レベルで捉えることができれば、様々な生命現象の分子論的理解につながる。これまで、時間分解蛍光分光、NMR、中性子非弾性散乱、テラヘルツ分光などにより生体分子の動的水和特性が測定され、バルク水と異なるタイムスケールで運動していることなどが示されてきた。しかし、このような測定手法では、水和水全体の振舞いを捉えることはできても、個々の水分子の動きまで知ることはできない。そのため、本研究課題では、生体分子水和水の水素結合の組換えメカニズムを原子レベルで捉えることを目的に分子動力学計算による研究を行った。
生体分子水和水の水素結合タイプは多様である。水分子の2つの水素原子がそれぞれ生体分子の異なるアクセプタ原子と水素結合するタイプについて、水素結合組み換えが次のようなメカニズムで起こっていることを明らかにした。
①注目している水分子が生体分子表面に存在しているとき、まれに別の水分子が近づいてくる。この水分子が同時に同じ場所に水素結合を作る(多重水素結合)と、水素結合の組換えが進む。
②多重水素結合の状態から組換えが進む速度は、水和サイトの構造揺らぎによって決まる。
③他の水素結合タイプも含めて、生体分子水和水の水素結合組換メカニズムを統一的に記述するには、水素結合様式と構造揺らぎだけでなく、生体分子表面の形状と電気的性質も含めた4つの要素を考慮していかなければならない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 生体分子表面の水分子の滞在時間はどのようにして決まるのか2012

    • 著者名/発表者名
      米谷佳晃, 河野秀俊,
    • 雑誌名

      分子シミュレーション研究会会誌アンサンブル

      巻: 14 ページ: 182-186

  • [学会発表] 計算機シミュレーションで探るDNAと水和水の塩基配列依存ダイナミクス

    • 著者名/発表者名
      米谷佳晃, 中川洋, 河野秀俊
    • 学会等名
      中性子散乱連携研究会
    • 発表場所
      京都大学東京オフィス(東京都港区)
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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