活火山浅部における短波長構造不均質は,ダイク貫入や火道からの脱ガスといった火山性流体の挙動を支配するものであるが,その実態は解析手法の制約などにより明らかではなかった. そこで本研究では,これまで国内活火山における人工地震探査記録を用いて短波長不均質性の系統的な定量化を行い,いずれの火山においてもS波の平均自由行程が約1kmであり,P-S変換が卓越することを明らかにした.また,散乱波動場の数値モデリングを行い,この強い不均質性が活火山浅部に局在した流体を含む亀裂等の介在によるものである可能性を示した.これらの結果は,火山構造・多様な火山現象を理解するための新たな鍵になると考えられる.
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