研究課題
本研究はモンテカルロ法による最適なモデル解像度を得るべく新たな逆解析手法の開発とその応用を目的としている。地球科学における逆解析は本質的に劣決定問題であるため、常に解像度と解の分散とのトレードオフの問題があり、新たなアルゴリズムを導入することで解像度の議論が不要になると考えている。本年度実施した内容として、これまでに開発したモンテカルロ手法に基づく測地学的な断層すべり逆解析手法に改良を加え、ブロック運動に基づく剛体運動の推定とプレート間の相対的な運動方向の制約に関する先験情報を超パラメータにより導入し、その超パラメータをMCMC法により推定するアルゴリズムを導入した。この解析手法をフィリピン海溝とフィリピン断層、および、日本の南西諸島に応用した。その結果は、日本地球惑星連合科学連合 2015年連合大会にて発表予定である。南西諸島やフィリピンのような本質的にデータの量が少ない地域においては、解の信頼性や解像度についての議論が重要になるが、MCMC手法によって解の確率密度分布として推定することで議論が容易なった。また、昨年度の断層のメカニズム解をMCMC法によって推定する手法を開発し、インドネシアで発生したM6.2の地震に適用した例についての成果を国際誌に投稿したが、不採択でしたので、引き続き再度投稿の準備をしているところである。
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