研究概要 |
2012年、私たちは超音波法を用いて、MgSiO3メージャライトガーネット(Zhou et al., in preparation)、Fe3Al2Si3O12アルマンディンガーネット(Arimoto et al., in preparation)、CaSiO3ペロブスカイト(Greaux et al., in preparation)の弾性波速度測定をその場X線観察と組み合わせたマルチアンビル装置を用いることによって測定を行った。私たちが行ったアルマンディンガーネットの結果は過去の2011年の結果と比較検討出来るものであった。一方、六方晶メージャライトガーネットは立方晶ガーネットよりも弾性波速度が遅いことが分かった。マントルガーネットで観測される低速度は、Ca、Mg、Fe成分に関係なく、圧力の上昇に伴いメージャライトのSi成分の増加のために起こる六方晶歪が原因だと示唆される。しかし、最近のCaSiO3ペロブスカイトの結果は六方晶よりも弾性波速度が速いものであった。そのため、マントル遷移層最下部でのメージャライトガーネットからのCaの離脱はマントル遷移層で観測可能な地震波変動を引き起こす可能性がある。この問題を解決するためには、メージャライト-パイロープ、メージャライト-グロッシュラー、メージャライト-アルマンディン系の試料が必要である。この研究は現在進行中であり、これらの組成のガーネットは2013年に測定予定である。
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