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2014 年度 実績報告書

厳密な理論波形の作成によるマントル最下部低速度領域速度構造の推定

研究課題

研究課題/領域番号 23740345
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

藤 亜希子  独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 研究員 (70587344)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード地球内部構造 / コア-マントル境界 / 広域低速度領域 / LLSVP / スペクトル要素法
研究実績の概要

これまで、太平洋LLSVPの北端をサンプルする波が以下の特徴を持つことを報告した。1. To et al., (2011)で報告される後続波が異方性媒体をサンプルしたことを示唆するパーティクルモーションを描く。 2. 震央距離90°~100°で直達S波の振幅が小さくなる。1. に関しては、高周波数(0.16Hz程度)までの理論波形を計算する必要があることがネックとなっている。2. に関する解析の結果、以下のことが分かった。
* 南カルフォルニアの観測点で見られる直達S波の振幅の減少は、周波数が高いほど顕著であるが、0.02-0.05Hzの低周波帯域でも未だはっきりと確認出来る。0.01-0.03Hzの帯域では見えなくなる。
* Cottaar & Romanowicz (2012)の提唱する太平洋北端の円柱形のULVZを一次元球対称モデル(PREM)のマントル最下部に組み込み3D構造に対する理論波形を作成した。ULVZの厚さは20kmであり、震央距離約100°未満の直達S波の波線はこのULVZ構造をサンプルしない。ところが、理論波形を精査したところULVZ構造により、震央距離80°~100°にかけて、南カルフォルニア辺りで直達S波の振幅が小さくなることが確認された。有限波長の効果による波形の歪みが確認された。
* 最新のS波のグローバルトモグラフィーモデルに対し理論波形を作成したが、S 波の振幅異常はほとんど検出されなかった。観測波形を説明する為には、トモグラフィーモデルで示されるものよりも強いS波速度不均質構造が必要である。更に、トモグラフィーモデルを精査し、太平洋LLSVPの北端をサンプルする波の経路上に、S波振幅異常の成因となり得る構造があるかを調べた。その経路上にカロリンホットスポットがある。2D波線追跡を行った結果、震源からの距離が短い(約14°)為、この構造によってS波振幅が局所的に減少することはなく、観測波形を説明出来ないことが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Small size very low frequency earthquakes in the Nankai accretionary prism, following the 2011 Tohoku-Oki earthquake2015

    • 著者名/発表者名
      Akiko To*, Koichiro Obana, Hiroko Sugioka, Eiichiro Araki, Narumi Takahashi, Yoshio Fukao
    • 雑誌名

      Physics of the Earth and Planetary Interiors

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Source characteristics of ocean infragravity waves in the Philippine Sea: Analysis of three-year continuous network records of seafloor motion and pressure2014

    • 著者名/発表者名
      Yoko Tono, Kiwamu Nishida, Yoshio Fukao, Akiko To, Narumi Takahashi
    • 雑誌名

      Earth Planets and Space

      巻: 66 ページ: -

    • DOI

      10.1186/1880-5981-66-99

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2016-06-01  

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