研究課題
ドイツ Leibniz-Institute of Atmospheric Physics(以下 IAP)との協同体制を構築し,2011-2013年度にかけてドイツとノルウェーにおいて中間圏大気光を利用した大気重力波のイメージング観測を実施した.これまで観測の空白領域であった北欧域において500日を超える長期データを取得することが出来た.これらの大気光画像は,データベースとして管理しており,観測後速やかにクイックルック図をウェッブ上で公開する環境を整えた.期間中には,IAP が運用するライダーとの同時観測キャンペーンを行い,「中間圏界面高度に達する極渦起源の大気波動」「成層圏-中間圏における大気重力波の鉛直伝搬構造」などを捉えることに成功している.また,日本の大気光観測の多地点同時データ解析環境を確立することで,「中間圏での長距離ダクト伝搬波動」「台風起源の中間圏大気重力波」を発見した.得られた成果は,国内・国外の学会で報告(3件の招待講演を含む)するとともに,論文としてアメリカやヨーロッパの地球科学雑誌に掲載されている.本研究で得られた知見は,下層大気と超高層大気の力学的結合を理解する上で貴重な証拠であるとともに,上下結合において大気波動を介した緯度・経度間のつながりも重要であることを強く示唆している.今後の地上観測ネットワークの展開を推進するにあたり,有益な情報となると期待される.
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics
巻: Vol.103 ページ: 184-194
Geophysical Research Letters
巻: 40 ページ: 4486–4490
10.1002/grl.50897
巻: 40 ページ: 5983–5987
10.1002/2013GL058087
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/member/shin/archive/midoli/midoli_main.html