本研究では、磁気嵐の発達、および衰退過程における地磁気の全球的な変動特性と下部熱圏風の変動がもたらす地磁気変動を明らかにするために、高緯度から赤道域の観測点から得られた地磁気と太陽風データを組み合わせた解析を行った。その結果、惑星間磁場の南転によって発生する磁気嵐主相時には領域1型のグローバルな電流系が発達し、その電流系に関連した電場が磁気赤道域に侵入することによって、昼間側磁気赤道で東向きジェット電流を強めていた。一方、惑星間磁場の北転に伴って磁気嵐回復相に入ると、中緯度において領域2型の電流系が卓越し、その電流系がつくる遮蔽電場が昼間側磁気赤道の西向きジェット電流を駆動していた。
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