研究課題/領域番号 |
23740377
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
林 広樹 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (80399360)
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キーワード | 国際情報交換(アメリカ) / 浮遊性有孔虫 / 生層序 / 年代層序 / 新第三系 |
研究概要 |
(1)東部赤道太平洋のIODP Site U1338で浮遊性有孔虫の生層序学的研究を実施し,0-15Maの区間について合計60の生層準を認めた.一部の生層準については異時性が認められ,その生物地理的な意義について議論した.この成果について取りまとめ,論文の執筆・投稿と学会発表を行った.論文は日本古生物学会の英文誌Paleontological Researchに受理され,2013年4月に出版された.また,共同研究者らが筆頭著者となる共著論文がNature誌などに掲載された.以上に関連する内容を,日本古生物学会および日本地質学会で口頭発表した. (2)北西太平洋,熊野沖のNanTroSEIZEプロジェクトについては,IODP Site C0012における浮遊性有孔虫生層序について取りまとめ,IODP Data Reportsに投稿した(査読中).また,Site C0002の浮遊性有孔虫群集解析により,更新世以降の年代モデルと海洋環境の変遷について考察した.この海域では沿岸湧昇や冷水渦による冷水塊の発達が見られ,それにより他の海域と異なる氷期-間氷期変動が認められた.この成果については,指導学生が日本古生物学会で口頭発表し,また論文投稿の準備を進めているところである. (3)得られた生層序を日本国内の中新統に適用する研究を進めつつある.そのうち,島根県大田市に分布する中新統の生層序については地質学雑誌に受理され,2013年4月に出版された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
このプロジェクトに直接関わる論文がPaleontological Reserch誌に掲載され,開始当初の目的を達しつつある.日程上の都合で海外出張を断念し,国際学会発表をまだ行っていないほかは,ほぼ計画通りに進捗しているものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
NanTroSEIZEについて,年代層序の総括となる論文を執筆,投稿することが上半期の主要な目標となる.下半期には成果を総括し,国際学会での発表と論文執筆を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は国際学会での発表を予定していたが,日程上の都合で海外出張を断念したため,その分の旅費を未使用金として繰り越すこととなった.次年度はAGUの2013年秋季大会で研究成果の総括を発表するため,サンフランシスコに5泊6日の出張を行う.また,地球惑星科学連合大会(幕張),日本地質学会(仙台),日本古生物学会(熊本)で成果の発表を行う.これらの国内旅費および有孔虫処理の謝金,消耗品購入,報告書印刷代が使用予定額となる.
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