研究課題
地球の内核および外核には、地震波観測により得られた核の密度分布と鉄の高圧下での密度を比較した研究などにより、鉄やニッケルのほかに軽元素と呼ばれる鉄よりも軽い元素が含まれていることが示唆されている。常圧下では、鉄にその他の元素が固溶すると、融点・密度・結晶構造・弾性定数など様々な物性が大きく変化する事がよく知られており、高圧下においても同様に、軽元素の存在はその物性に大きな影響を与えると考えられる。核中の軽元素の候補として、水素・炭素・酸素・珪素・硫黄などが考えられているが、どの元素がどの程度含まれているかについてはいまだ議論が続いている。固体の鉄金属への各軽元素の固溶量を決めることは、核に含まれる軽元素の種類と量に制約を与えるうえで必要不可欠である。本年度は、前年度までの研究結果に加えて、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルと放射光X線回折実験により、珪素の固体鉄への固容量を地球の中心核の温度圧力領域で決定した。その結果、比較的低圧での実験結果から示唆されていた通り、地球の中心核の温度圧力領域においても10wt%近い珪素が固体鉄へ固溶しうることが分かった。これらの実験結果と、弾性定数などの情報から、核の組成及び構造の推定を行った。
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