沈み込んだ海洋プレートがどの程度背弧側の上部マントルまで熱・物質的影響を及ぼしているのかを明らかにするために、ユーラシア大陸東縁部超背弧域に位置する中国・韓国に噴出した約40火山からサンプリングを行い,新生代プレート内火山の岩石学的・地球化学的検討を行った。その結果、沈み込み時に脱水した海洋地殻の融解と沈み込んだ堆積物に由来する流体の寄与による上部マントルかんらん岩の融解がそれぞれ2つの端成分的マグマの成因に寄与していることを示すことに初めて成功した。このことは沈み込むスラブの影響はマントル遷移層付近にまで及んでいる可能性を強く示唆する。
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