液体を針電極とした大気圧負コロナ放電の特性を調査した。液体の針電極として、液体が電界によって円錐形上に変形するテイラーコーンを利用した。内径10 mm程度のノズル電極に液体を満たし、電極間を10 mm程度離して対抗電極には金属平板電極を用いる。電極間に直流電電圧を印加することでテイラーコーンが形成される。液体の特性を変化させるために、純水に界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを添加して表面張力を変化させ、ポリビニルアルコールを用いることで溶液の粘性を変化させた。純水は表面張力が高いためにテイラーコーンが安定に形成されないが、界面活性剤により表面張力が低下すると、安定にテイラーコーンが形成され、その先端には安定にコロナ放電が形成される。液体の粘性が増加すると、液体の表面から細い液体のフィラメントが形成され、コロナ放電はコーンの情報-.7-1.0 mm程度のところに観測された。液体の導電率が増加すると、コロナ放電の発光は強くなり、コロナ生成電圧は低下した。金属針電極を用いた場合はコロナ放電は印可電圧やギャップ間によって変化するが、テイラーコーンを用いた場合には、金属針電極の場合とは異なるコロナ放電の特性が観測された。
|