研究概要 |
分子・水クラスター・余剰電子で構成される錯体負イオンの電子・幾何構造を光電子分光法によって解明した.フェノールと水クラスターから成る負イオン錯体は水クラスター負イオンと類似した水素結合ネットワークを持つが,生成サイズ分布は大きく異なることがわかった.これは,フェノール混入による水素結合強度の微細な変化が負イオン生成の効率に大きく影響することを示している.また,水6量体がベンゼンを取り込むと水のネットワーク構造が大幅に組み換わることを見出した.この構造転移はベンゼン-水クラスター間の水素結合形成が特定の水ネットワーク構造を選択的に安定化することに起因すると結論した.
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