現在世界各地でX線自由電子レーザー施設(XFEL)が建設・稼働中であり、蛋白質構造解析や化学反応中間体解析など多分野での応用が期待されている。XFELでは非常に強い強度のX線パルス光を発生させることができるため、物質の新規な状態も発見されつつある。分子の内殻軌道から2つの電子が電離した状態(二重内殻イオン化状態)もその1つで、分析技術としての応用の可能性もあって関心が高まっている。本研究において我々は分子の二重内殻イオン化状態に関する理論的研究を行い、電離エネルギーと分子種・電離サイト周辺環境の関係、光電子スペクトルに見られるサテライト状態の特徴、Auger崩壊の詳細な様子を明らかにした。
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