本研究では,銅フタロシアニンで修飾されたセルロースとともに,高周波誘導結合プラズマ発光分光分析,もしくは,フレームレス原子吸光光度計のいずれの分析装置を用いることで,セルラーゼの簡便な定量法及び活性の測定法を開発した。このとき,セルラーゼ自体には金属元素を含まないが,銅フタロシアニン結合型セルロースにセルラーゼを作用させると,銅フタロシアニンで修飾されたセルロースから銅イオンが放出される現象を見出した。この現象を利用して原子吸光光度分析法やICP発光分光分析法を用いることで,吸光光度法に比べてセルラーゼを特異的かつ迅速(15分間程度)で定量することができる。
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