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2012 年度 実績報告書

実用的不斉触媒プロセスを指向した新規炭素-炭素結合生成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23750104
研究機関東京工業大学

研究代表者

相川 光介  東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (30401532)

キーワード不斉合成 / 不斉配位子 / 不斉金属触媒 / エン反応 / オキセテン / 環化付加反応 / Diels-Alder反応 / 医農薬
研究概要

平成23年度では、世界で初めて安定なオキセテンを生成する[2+2]環化付加反応を見出した。この反応は、カチオン性パラジウム触媒存在下、トリフルオロピルベートとアルキン化合物を作用させることにより、光学活性な含CF3オキセテン化合物が高い化学収率及び光学収率で得られる。様々な官能基を導入したアルキンを用いて検討を行った結果、脂肪族、芳香族、また電子吸引基であるエステル、アルデヒド、CF3、さらにヨウ素やピナコールボラン、シランを含む基質において問題なく高い化学収率、エナンチオ選択性で対応するオキセテンを得ることができた。また、オキセテン化合物をこれまでにないキラルビルディングブロックとなることを明らかにした。
平成24年度では、反応点が遠隔位に存在するイノンの不斉Diels-Alder反応に関する検討を行った。この反応はその不斉誘起の困難さゆえにこれまで数例しか報告例がなく、また既存の報告例すべてが基質適応範囲に問題を抱えていた。検討の結果、嵩高いDTBM-SEGPHOS配位子を有するカチオン性キラルパラジウム触媒を用いた場合に末端がシリル基の場合はもちろん、既存の系では収率に問題のあった末端にアルキル基を有する基質に関しても良好な収率及び選択性で生成物が得られることが分かった。また、この反応において特筆すべき点として、嵩高い配位子を用いた場合と嵩低い配位子を用いた場合において生成物の立体選択性が逆転するという特徴が挙げられる。この挙動に関してDFT計算を用いた分析を行った結果、この立体選択性の反転は嵩低い配位子が遠隔位において十分な立体効果を有しないことが原因で生じたジエンのエナンチオ面選択性の反転に依存している可能性が高いことが強く示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Development of Catalytic Asymmetric Reactions Based on Chirally Flexible (Tropos) Ligands2012

    • 著者名/発表者名
      Kohsuke Aikawa, Koichi Mikami
    • 雑誌名

      J. Synth. Org. Chem., Jpn. (Yuki Gosei Kagaku Kyokaishi)

      巻: 70 ページ: 45-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asymmetric Catalysis based on Tropos Ligands2012

    • 著者名/発表者名
      Kohsuke Aikawa, Koichi Mikami
    • 雑誌名

      Chem. Commun.

      巻: 48 ページ: 11050-11069

    • DOI

      10.1039/C2CC34320G

    • 査読あり
  • [学会発表] オキセテンの熱的開環反応によるトリフルオロメチル基を有する四置換オレフィンの立体選択的合成とその合成的応用

    • 著者名/発表者名
      清水なつみ、日置優太、相川光介、三上幸一
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会(2013)
    • 発表場所
      立命館大学
  • [学会発表] カチオン性キラルパラジウム触媒を用いた不斉ヘテロアリール化反応の開発と連続反応への展開

    • 著者名/発表者名
      浅井裕也、日置優太、相川光介、三上幸一
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会(2013)
    • 発表場所
      立命館大学
  • [学会発表] カチオン性パラジウム錯体を用いた触媒的不斉合成

    • 著者名/発表者名
      相川光介
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会(2013):若い世代の特別講演会
    • 発表場所
      立命館大学

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公開日: 2014-07-24  

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