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2012 年度 実績報告書

キラルトリアゾリウムカチオンの機能追究と触媒的不斉合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23750110
研究機関名古屋大学

研究代表者

大松 亨介  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00508997)

キーワード有機分子触媒 / イオン対 / 不斉合成 / トリアゾール / 分子認識
研究概要

申請者らが独自に開発した光学活性1,2,3-トリアゾリウムイオンのさらなる機能追究と触媒的不斉合成への応用に取り組んだ。開発したトリアゾリウムイオンは、静電的相互作用および水素結合に起因する高いアニオン認識能と、幅広い構造多様性を有している。本研究では、カチオン中心の電荷密度および触媒分子全体の水素結合供与能と触媒活性・立体制御能の相関理解に焦点を絞り、評価のための反応系として(1)Lewis塩基システムであるハロシリケートの付加反応、(2)ブレンステッド塩基システムであるシアノスルホンのMannich型反応、および(3)水溶性反応剤システムであるシアン化物イオンの付加反応を設定した。ハロシリケートを鍵中間体をとするアジリジンの不斉ハロゲン化反応では、触媒分子に電子求引性置換基を導入するに従って、エナンチオ選択性が向上する傾向が見られた。電子求引性置換基の導入は、カチオン分子の水素結合供与能の増大につながり、イオン間距離がより緊密になった結果、立体選択性が向上したと考えられる。適切な立体修飾を施したトリアゾリウム塩を触媒として用いることで、トリメチルシリルクロリド、またはブロミドを反応剤とするアジリジンの高立体選択的ハロゲン化反応の開発に成功した。本触媒システムは、前例のない2,2-二置換アジリジンの速度論的光学分割へも応用可能であり、潜在的に高い実用性を有していると同時に、シリケートを鍵活性種とする有機合成化学に新たな知見をもたらしたという点で意義深い。また、トリアゾリウムイオンの高いアニオン認識・捕捉能を活用することで、(2)シアノスルホンの高エナンチオ選択的Mannich型反応及び(3)シアン化物イオンの不斉付加反応の実現に成功した。特に、(3)の研究では、従来のオニウムイオンにはない、トリアゾリウム固有の性質を活用することで高立体選択性の獲得に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Catalytic Asymmetric Ring Openings of Meso and Terminal Aziridines with Halides Mediated by Chiral 1,2,3-Triazolium Silicates2012

    • 著者名/発表者名
      大松亨介、濱嶋優太、大井貴史
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc

      巻: Vol. 134 ページ: 8794-8797

    • DOI

      DOI:10.1021/ja3028668

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catalytic asymmetric Mannich-type reactions of α-cyano α-sulfonyl carbanions2012

    • 著者名/発表者名
      大松亨介、後藤彩乃、大井貴史
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 48 ページ: 7913-7915

    • DOI

      10.1039/c2cc32398b

    • 査読あり
  • [学会発表] 光学活性1,2,3-トリアゾリウム塩の創製と 触媒的不斉合成への応用2012

    • 著者名/発表者名
      大松亨介
    • 学会等名
      有機分子触媒による未来型分子変換  第1回有機分子触媒 若手セミナー
    • 発表場所
      那須
    • 年月日
      20120908-20120908
  • [学会発表] ラセミ体の第二級ハライドを用いた オキシインドールの不斉アルキル化反応

    • 著者名/発表者名
      袴田祐介、大松亨介、大井貴史
    • 学会等名
      日本化学会第93 春季年会
    • 発表場所
      滋賀
  • [学会発表] 光学活性1,2,3-トリアゾリウム塩を 触媒とするα-シアノスルホンの 不斉アルキル化反応

    • 著者名/発表者名
      後藤彩乃、大松亨介、大井貴史
    • 学会等名
      日本化学会第93 春季年会
    • 発表場所
      滋賀
  • [学会発表] ラセミ体の2,2-二置換アジリジンの 開環反応による触媒的二連続 不斉四級炭素構築

    • 著者名/発表者名
      安藤祐一郎、大松亨介、大井貴史
    • 学会等名
      日本化学会第93 春季年会
    • 発表場所
      滋賀

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公開日: 2014-07-24  

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