研究課題/領域番号 |
23750118
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
浪越 毅 北見工業大学, 工学部, 助教 (30452072)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ポリフェニルアセチレン / 光環化反応 / 超分子膜 |
研究概要 |
本研究は申請者が見出したトポケミカル光環化反応による独創的な超分子自立膜の新規調製法をさらに展開させ、これまでに例のないキラル超分子自立膜の創製とその応用の検討を目的としている。 この目的を達成するため、らせん高分子膜(前駆体ポリマー)のトポケミカル光環化反応による超分子自立膜のさらなる高強度化を検討している。具体的には、これまで前駆体ポリマーの側鎖置換基Rに長鎖アルキル基(ドデシル基)を用いていたが、新たに側鎖置換基Rの構造を下記の1、2のように設計し、それに対応するモノマーの合成を行い、得られた前駆体ポリマー膜の強度と光反応後の超分子膜との関係について検討した。1. 置換基Rに水素結合性官能基を導入し側鎖の水素結合により超分子の安定化を検討した。2. エチレンオキシド鎖と金属の配位による疑似的な架橋によって超分子の強度を向上させるため、PEO鎖の導入を検討した。 具体的には水素結合性官能基の側鎖置換基としてヒドロキシドデシルオキシ基(水酸基)、N-ドデシルアミドペンチルオキシ基(アミド基)を有するモノマーを合成した。また、1,4,7-トリオキサウンデシル基などPEO鎖を置換したモノマーを合成した。これらのモノマーの重合を行った結果、いずれのモノマーも40~90%程度の収率でポリマーが得られた。ヒドロキシドデシルオキシ基を有するポリマーは一般的な有機溶媒には溶解性が悪く各種測定及び製膜が行えなかったためドデシル基を有するモノマーとの共重合体を合成した。 得られたいずれのポリマーもドデシル基を有するポリマーよりも強度が高かく光環化後の膜の強度も高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超分子自立膜の合成に必要な前駆体ポリマー膜の高強度化を検討しているが、設計した複数のモノマーの中で一部のモノマーの合成がなかなか進まず、別の様々な合成ルートを検討していた為やや達成度の遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
確立した合成法を基にさらに置換基の検討を行う。また、さらなる高強度化を検討するためグラフトポリマーの合成を検討する。さらに、光学活性基を有するモノマーを利用したキラル超分子膜の調製を検討していく。また、可視光照射についても光源の種類や波長の選択し反応の高速化についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
光照射の光源の購入する。また、キラル試薬および合成および重合のための金属触媒の購入を行う。
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