研究課題/領域番号 |
23750152
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
曽越 宣仁 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10361396)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 自己組織化 / 完全光結晶 |
研究概要 |
平成23年度は研究計画にあるとおり逆オパール法によるフォトニック結晶の作製に取り組んだ。同じく研究計画にある逆オパール法の前提となる粒径のそろった粒子の選別法は困難ではあるが実現できている。具体的には溶媒と粒子との比重の差を小さくし短いカラムでも大きな分離能率を得ている。一方,研究計画に含まれる発展的な研究について大きな成果を上げつつある。1つはナノ光ファイバーの周囲に高品質な人工オパールの単層膜を作成できたことである。オパールを作成する方法を工夫し,直径500 nm程度の非常に細いガラスのファイバーの周囲にきれいに微粒子を並べることができた。この研究の過程で,細い親水性のファイバーを水にたらして水面をゆっくり低下させた時に,ファイバー・大気・水の3相の界面にできるメニスカスは動的な不安定性を持つことを示唆する実験結果が出つつあり,界面の非線形的な性質があると考えている。この成果は発表に向けて準備中である。もう1つは学会発表を行った液晶・金ナノ粒子の光電変換の効率の向上についてである。有機半導体であるHAT液晶の自己組織化能力とと金ナノ粒子の電気伝導生を組み合わせて,光キャリアの効率的な捕集を目指している。現在のところ,液晶から金ナノ粒子への電荷分離を観測できている。 以上のことをまとめると,逆オパール法の手法について改善を行った。光ナノファイバーの周囲に炭層の人工オパールの作成に成功した。有機半導体である液晶の光キャリアの金ナノ粒子による捕捉に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿っておおむね順調に進んでいる。しかし学会発表は行っているが,まだ雑誌への投稿には準備段階にある。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画にある作成した逆オパールの光学特性の評価に取り組む。また完全光禁制帯を実現するための,高屈折率を持つ酸化銅の逆オパールの作成にも取り組む。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,おおむね研究計画に沿って備品がそろったことから,消耗品,学会発表旅費,論文投稿費用に支出する予定である。
|