研究概要 |
本研究におけるフォトニック結晶とは,粒径のそろった微粒子を配列させて得られる人工オパールをさす。本研究ではフォトニック結晶の作製法として逆オパール法と呼ばれる方法を改良して用いた。高屈折率を示す金属の酸化物を鋳型内に析出させるために、金属イオンを含む電解液から電極上に形成した鋳型に金属酸化物を電解析出させて,実験は成功した。屈折率3を超える酸化銅が充填された逆オパール膜を形成し,良好な光バンドギャップの生成を確認した。この実験結果は,まだ最初のものであり,今後,実用的な高屈折率の逆オパール膜を作成して,発表および実用化を目指す。一方、液晶とコロイド微粒子の階層的自己組織化による光機能についても検討した。この系では,直径5nm程度の超微粒子となっているため自己組織化が難しい金ナノ粒子を液晶の配向を利用して自己組織化する。この実験の目的は誘起半導体液晶ホスト内に形成された伝導性ナノワイヤの精製を目指した。その結果,ホストからゲストの金ナノ粒子への電子移動が観測され,この系が,ミクロ電極として有望なものであることが示唆された。この結果は2012年度日本化学会で発表した。
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