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2012 年度 実施状況報告書

スピン交換相互作用における環状飽和炭化水素の減衰定数βの決定と伝達機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 23750156
研究機関京都大学

研究代表者

東口 顕士  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90376583)

キーワード物理化学 / 減衰定数 / 交換相互作用 / ラジカル
研究概要

分子エレクトロニクスは1分子レベルの電気的物性を捉え応用する物である。分子エレクトロニクスに必要とされる物性のうち、代表的な物はコンダクタンスG(導電率、Ω-1)および減衰定数β(Å-1) で、G = G0 exp(-βh)(h:分子長)で表される。有機中性ラジカルについて以前検討を行い、交換相互作用JがGと同様にJ = J0 exp(-βh)の関係式を有し、減衰定数β (Å-1)も既知のβと同程度(p-フェニレンβ = 0.51Å-1)である事を確認した。加えて中性ラジカルであるニトロニルニトロキシドの交換相互作用を用いるため電気的測定法と異なりホッピング伝導の効果を除外できる。従って特に分子ワイヤが長い場合において伝導メカニズムの違いに関する情報を得られると期待される。
前年度に合成したオリゴフェニレンエチレン系化合物について、長さの異なる一連のワイヤを合成することが困難であったため、主骨格以外に関して分子設計を変更した上で、改めてワイヤ長の異なる一連の誘導体を合成した。ESRスペクトルの実測とシミュレーションによりフェニレンエチニレンβ = 0.38 Å-1が得られ、本来はホッピング伝導領域であるにもかかわらずトンネル伝導を示していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一連の誘導体の合成が困難で予定よりも時間が掛かったため。9月頃には合成完了の予定であったが、実際には2月頃までかかったために半年程度の遅れとなった。ただし主要データは既に得られており、遅れは最終的に半年程度に収まる。

今後の研究の推進方策

年度内に合成と主要データの測定までは完了しており、論文公開のための参照化合物の合成やそれに伴うデータ測定、また学会発表等を今後行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

論文公開のための参照化合物の合成やそれに伴うデータ測定に伴う消耗品費、また学会発表等の旅費を次年度に必要としている。

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公開日: 2014-07-24  

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