研究課題/領域番号 |
23750157
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 弘志 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (20598586)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 光反応 / 細孔 / ナイトレン / 触媒 |
研究概要 |
本研究課題は、「多孔性材料の細孔表面の空間特異的自在修飾による高性能固体触媒開発」を目的としている。当該年度は、細孔表面の自在修飾の足場となる新規光反応性多孔性配位高分子(以下、光反応性PCP)の合成、細孔構造の分析を行った。具体的には、光照射によって細孔表面に高活性種であるナイトレンを発生する光反応性PCPの合成を中心に行った。ナイトレン前駆体であるアジド基を有する種々の新規光反応性有機配位子を合成し、様々な金属イオン(銅、亜鉛、カドミウムイオンなど)、異種配位子(4,4’-ビピリジン、テレフタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体など)との組み合わせを検討することで、新規光反応性PCPを得ることに成功した。重要な点は、光反応性の異なるアジド基(異なる波長の光によって別々に光活性化可能である)を、次元性の異なる細孔表面(細孔内部への物質拡散現象の制御可能である)に導入することに成功した点である。これら光反応性PCPを用いることで、複数種の酸性、塩基性官能基を細孔表面に時間的、空間的に制御した形で導入することが可能となる。また、ガス吸着実験によりこれら光反応性PCPは期待通りミクロ孔を有していることも明らかにした。光反応性PCPの合成、構造分析、基本的な光反応性の検討は順調に進んでおり、次年度の研究実施計画の主たる内容である、「光反応性多孔性金属錯体の光活性化および酸性、塩基性官能基の導入」に向けて進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光反応性PCPの合成、構造分析、基本的な光反応性の検討は順調に進んでおり、次年度の研究実施計画の主たる内容である、「光反応性多孔性金属錯体の光活性化および酸性、塩基性官能基の導入」に向けて進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に得た光反応性多孔性金属錯体の基本的細孔構造、光反応性の結果を踏まえ、細孔表面 の様々なアミノ酸による空間特異的配列制御と高機能触媒開発に取り組む。異なる波長や異なる光強度で活性化できるユニットを組みこんだ多孔性配位高分子を用いて、 多段階に渡る光活性化およびアミノ酸固定化反応により、細孔表面への異種アミノ酸の空間特異 的配列制御を行う。また、結晶の異方性を活かした活性化、空間特異的配列制御行う。具体的に は、結晶に対して偏光を照射し活性化を行うことで、結晶中のある一部の光反応性部位を活性化 することを予定している。実際に得られたアミノ酸固定化多孔性配位高分子の触媒特性評価も合わせて行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品(薬品類、ガラス器具):20万円国内旅費:15万円外国旅費:45万円その他:10万円
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