本研究課題では、熱や光によって分子内電子移動を示す錯体分子系において、機能性物質開発を行った。その結果、1.コバルト複核錯体における結晶多形。2. 分子性結晶の結晶構造制御3.熱、光によって誘起される分子内電子移動。4. 磁気・誘電性におけるマルチ双安定性5.光応答性ナノ磁石の発見。をそれぞれ達成した。成果1.2.は、分子集合体としての結晶の構造制御を、結晶育成過程と分子設計のそれぞれの観点から行い、達成したものである。また、3.~5.の特異な特性がすべて分子内電子移動に基づいて発現していることは非常に興味深く、さらなる新規機能性分子材料のへの展開が期待できる結果を得た。
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