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2012 年度 実績報告書

架橋性核酸を用いた標的遺伝子の選択的活性化

研究課題

研究課題/領域番号 23750180
研究機関東北大学

研究代表者

萩原 伸也  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80373348)

キーワードmiRNA / 架橋性核酸
研究概要

2’-OMe RNAに申請者らの開発した反応性核酸塩基2-amino-6-vinylpurine (AVP) を組み込んだオリゴ核酸は、相補的なRNA上のuracil (U) と架橋反応を起こす。この反応は酸性条件下でしか進まないと考えられていたが、申請者は最近、AVPの前後の塩基配列を調節することで、RNAとの架橋反応を中性条件において高効率で進行させることに成功した。さらに、申請者は、この架橋形成が細胞内での遺伝子発現を強力に抑制することを明らかにしている。
本研究課題では、『目的の遺伝子を抑制する』のに有効なAVP導入2’-OMe RNAを、『目的の遺伝子を活性化する』ツールへと展開した。mRNAは、タンパク質をコードした翻訳領域と、その上流および下流の非翻訳領域からなっている。これまでの研究では、AVP導入2’-OMe RNAを標的mRNAの翻訳領域に結合させ、リボソームによる翻訳を阻害させてきた。一方、本課題では、標的mRNAの3’非翻訳領域に存在するmicroRNA (miRNA) 結合サイト (MBS) へAVP導入2’-OMe RNAを架橋させた (MBSマスキング)。昨年度は、細胞外架橋形成反応を用いることで、MBSマスキングが翻訳を抑制するmiRNAの機能を阻害し、結果として標的遺伝子が選択的に活性化されることを検証した。この知見をもとに、本年度は、細胞内反応を介したMBSマスキングの実証に成功した。この様に低分子量の機能性核酸を用いて標的遺伝子を選択的に活性化する手法は他に例が無い。遺伝子の抑制と活性化の両方を人工的に制御できる我々のAVP導入2’-OMe RNAは、医療・生命科学における究極の遺伝子発現調節ツールとして期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis of 6-amino-2-vinylpurine derivatives for cross-linking and evaluation of the reactivity2012

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Kusano
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters

      巻: 22 ページ: 6957-6961

    • DOI

      10.1016/j.bmcl.2012.08.122

    • 査読あり
  • [学会発表] 架橋性オリゴ核酸を用いた細胞内遺伝子発現制御2013

    • 著者名/発表者名
      萩原伸也
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      20130321-20130325
  • [学会発表] 立体配座を固定化した新規架橋性分子の開発2013

    • 著者名/発表者名
      井田裕太
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      20130321-20130325

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公開日: 2014-07-24  

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