リチウムイオン電池の高性能化に資する新たな電解液系として超高濃度電解液を検討した。1mol/L程度の塩濃度となる通常の電解液に対して概ね3mol/L以上の超高濃度溶液とすることによって、負極側及び正極側の双方において電気化学安定性の向上が認められた。特に負極側においては従来必須とされていたエチレンカーボネート(EC)溶媒を使用せずに様々な溶媒中で黒鉛負極の可逆作動が可能となることを見出した。本研究は電解液設計の新指針を与えるとともに、従来の電解液では困難であった高電圧リチウムイオン電池実現への基礎技術となり得るものである。
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