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2012 年度 実績報告書

リチウム電池用電極材料の二相共存反応における核発生と相境界移動メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23750249
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

大久保 將史  独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (20453673)

キーワードリチウムイオン電池 / 相転移 / 電気化学
研究概要

本研究では、研究テーマとして「リチウム電池用電極材料の二相共存反応における核発生と相境界移動メカニズムの解明」を設定し、界面が核発生・成長メカニズムに与えるを明らかにすることにより、高速Li脱挿入を可能とする材料設計の指針を確立することを目指して研究活動を行った。前年度は、核発生、相成長のメカニズムを電気化学的に探るためにモデルの構築を行い、2相共存状態におけるリチウムイオン挿入は、Li-poor相へのイオン拡散とLi-rich相の核発生・成長に支配されるというモデルの下で、Fickの拡散方程式(イオン拡散)とScharifker-Hillsモデル(核発生・核成長)を複合した電気化学応答関数を求め、ポテンシャルステップを印加した際の電流応答を導出することに成功した。そこで、平成24年度は、得られたモデルの実際の系への適用を行った。具体的には、代表的な2相共存の電極材料であるLiFePO4について様々な粒子形態、過電圧印可条件下でのかと電流応答を測定し、モデルによる解析を行ったところ、実験結果を再現することができ、モデルが適切に物理現象をモデル化できていることが証明された。また、解析の結果、初期の核発生頻度は過電圧に大きく依存し、過渡電流の振る舞いに大きな影響を及ぼすことが明らかになった。一方、大きな過電圧化においては、速度論効果によるモデルからの逸脱が生じ、更なるモデルの最適化が必要であることが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Temperature dependent local structure of LiCoO2 nanoparticles determined by Co K-edge X-ray absorption fine structure2013

    • 著者名/発表者名
      L. Maugeri
    • 雑誌名

      Journal of Power Sources

      巻: 229 ページ: 272-276

    • DOI

      dx.doi.org/10.1016/j.jpowsour.2012.11.127

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Configuration interaction full-multiplet calculation to analyze the electronic structure of a cyano-bridged coordination polymer electrode2012

    • 著者名/発表者名
      難波優輔
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 116 ページ: 24896-24901

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/jp310328q

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High power Na-ion rechargeable battery with single-crystalline Na0.44MnO2 nanowire electrode2012

    • 著者名/発表者名
      細野英司
    • 雑誌名

      Journal of Power Sources

      巻: 217 ページ: 43-46

    • DOI

      dx.doi.org/10.1016/j.jpowsour.2012.05.100

    • 査読あり
  • [学会発表] 電位制御条件下の二相分離電極反応における初期核発生メカニズム解析

    • 著者名/発表者名
      大久保將史
    • 学会等名
      電池討論会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
  • [学会発表] ナトリウムイオン電池用正極材料P2-Nax(MnyCo1-y)O2の電極特性および電子状態解析

    • 著者名/発表者名
      大久保將史
    • 学会等名
      電気化学会年会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県)

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公開日: 2014-07-24  

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