ナイロン6繊維に超臨界二酸化炭素を媒体として有機パラジウム錯体を注入した。その過程で錯体に熱や水素を作用させ還元分解し、繊維内部および表面に金属粒子を堆積させて複合した。布は金属の複合により、体積抵抗率が5.4 Ω・cmまで低下した。繊維表面近傍には、繊維に複合化した約200 nmの均一な厚みの金属粒子堆積層が形成された。金属を複合した繊維は、JIS L 0849 II型試験機により綿布にて1000往復の摩擦後も10 Ω・cmオーダーの抵抗率を保ち、摩擦に対して耐久性が高く繊維表面が摩耗しても導電性の低下を抑制できた。
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