本研究では液晶性を有するポリロタキサン(以下PR)とその架橋体を合成し、可動な架橋構造を有する新奇な液晶ゲルの合成とその応用を検討した。PRは複数の環状分子をひも状の高分子が貫通した分子構造をもち、分子ネックレスとも呼ばれる。このPRの環状分子同士を結合することで、架橋点が自由に動く環動高分子材料を合成することができる。本研究ではPRの環状分子に液晶基を結合し、側鎖が可動な液晶性PRを合成した。これを環動高分子にして低分子液晶で膨潤することで液晶性ゲルを合成することに成功した。得られた液晶性環動ゲルの膨潤特性や温度応答特性、力学物性を調べることでソフトアクチュエータとしての可能性を見出した。
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