研究課題/領域番号 |
23750264
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
沼田 圭司 独立行政法人理化学研究所, 酵素研究チーム, 上級研究員 (40584529)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 癌細胞 / ペプチド / 遺伝子デリバリー |
研究概要 |
ポリカチオン-シルク-Tumor-homing peptide(THP)トリブロック共重合体を設計した。シルク配列は分子量がポリイオンコンプレックスの粒径に与える影響を評価するために、分子量が異なるNephila clavipesクモ由来のMaSp1の1量体および6量体を用いた。テトラブロック共重合体をコードしたプラスミドベクターをクローニングし、大腸菌BL21に形質転換した。この大腸菌の培養により、目的のペプチドポリマーを発現させ、Urea水溶液によりペプチドポリマーを抽出した後にNi-NTAカラムにより精製した。さらに、透析によりUrea水溶液を超純水に置換することで、テトラブロック共重合体の水溶液を得た。得られたトリブロック共重合体とレポータータンパク質であるルシフェラーゼをコードしているpDNAを異なる比率で混ぜ合わせ、多様なポリイオンコンプレックスを調製した。得られたポリイオンコンプレックス試料を、ゼータ電位測定装置によりゼータ電位、粒径、および粒径分布、原子間力顕微鏡により形態、アガロース電気泳動により耐酵素分解性、および細胞生存率に基づく細胞毒性を明らかにした。これらの結果を基に、粒径分布が単一かつウィルスと同程度の80nm程度の粒径を有する試料に関して、in-vitro遺伝子導入実験をMDA-MB-231乳癌細胞および対照実験としてMCF-10A乳腺上皮細胞に対して行った。その結果、シルクモノマーを用いた遺伝子導入効率は、6量体を用いた場合と比べ高い値を示した。この結果から、コンプレックス表面に存在するTHPが多ければ多い程、遺伝子導入効率が向上することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
CPPやアミノ酸配列を再検討すること無く、これまで以上の遺伝子導入効率を示すことに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
ペプチドと遺伝子がどのように複合体を形成しているか調べると共に、構造と機能の相関を明らかにする。引き続き、アミノ酸配列の検討は行い、更に高い遺伝子導入効率を示す組み合わせを探索する。癌細胞だけでなく、ガンに影響していると言われるミトコンドリアをターゲットとした遺伝子デリバリーも開始する予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
ペプチドポリマーの合成および精製に必要な経費、および動物細胞の培養に掛かる費用は材料の合成およびin-vitroの評価を行うために引き続き必要である。ミトコンドリアをターゲットとしたデリバリーシステム構築のため、新たな分子設計を行うための経費も必要である。
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