生体機能に重要な役割を果たしている「確率共鳴」の原理を用いることで、環境ゆらぎを利用した究極の低消費電力生体模倣型デバイスの実現が期待されているが、従来のエレクトロニクス技術でこれを達成することは困難である。本研究では、生体特有の環境変化に柔軟に対応し頑強性を備えた超低消費電力型電子情報システム構築のための確率共鳴ナノ材料開発を目的とする。確率共鳴素子はコンパレータとノイズジェネレータから構成されるが、両素子の大幅な簡素化と小型化を可能にする巨大非線形特性を持つ酸化物材料のナノ微細加工プロセスを確立したことによって、ゆらぎ自立型低電圧駆動の実現に成功し、将来のオンチップ確率共鳴素子の要素を築いた。
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