研究課題
Si系赤外発光素子への応用可能な材料として、ErSiO/Si構造に着目し、真空蒸着法、スプレー法による作製を行い、その成長条件の最適化を行ってきた。その結果、as-grownでも室温赤外発光は得られるものの、その強度は非常に低いものであった。また、真空蒸着法により作製した方が、発光強度は強いこともわかった。また、付加アニールを行うことにより、Erの室温での赤外発光が非常に増大することを見出した。その最適温度は、ばらつきがあるものの、およそ1200度である。しかし、スプレー法での作製試料については、真空蒸着法ほどの発光強度の増大はみられなかった。また、熱処理時間依存性では真空蒸着法による作製試料では50分程度で発光強度は飽和することがわかった。一方、スプレー法による試料は、比較的短時間のアニールの方が効果的であった。いずれの試料においてもX線回折などの結果より、ErSiO化合物の形成を確認できたが、蒸着法の方が、ErSiO化合物からの回折ピーク強度は大きい。作製法による発光強度の違いは、ErSiO化合物の形成効率が影響していると考えられる。また、スプレー法においては2段階の熱処理が必要であり、最初の熱処理は比較的低温で、溶媒に含まれる炭素などを除去する過程であるが、この熱処理も発光特性に影響を与えることから、不純物欠陥も発光強度に影響していると考えられる。
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