研究課題/領域番号 |
23760043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北 智洋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40466537)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ZnO / TiO2 / 光導波路 / 自己位相変調 / 二次高調波 |
研究概要 |
本年度の研究においてチャネル型ZnO光導波路における自己位相変調効果を増強させるための構造最適化を行った。幅700 nm、高さ500 nmの導波路を作製し波長830 nmのパルス光を入射した際の自己位相変調効果を測定した。得られた非線形光学定数γは、22 W-1m-1となり数値解析の結果と良い一致を示した。このγの値は、一般的な非線形ファイバーの2000倍程度となり本構造の有効性を実証することに成功した。 二次高調波発生については、本研究で用いるZnO薄膜の二次非線形光学定数χ(2)を測定するためのメーカーフリンジ法測定系を構築した。サファイヤ上にPLD法で成膜したZnO薄膜のχ(2)を測定し、バルクZnOと同程度のχ(2)を持つ事を確認した。このZnO薄膜から作製したチャネル型ZnO光導波路においてモード間位相整合を用いる事で高効率に二次高調波を発生するデバイス構造を提案した。ZnOは従来用いられてきたLiNbO3などと比べるとχ(2)は小さいが、チャネル型構造とすることでパワー密度を増強すると従来材料に匹敵する変換効率が得られることが示された。またZnO導波路はベースメタルのみで構成されるため資源が自然界に抱負に存在するという利点もある。 TiO2を用いたフォトニック結晶導波路を設計し、スローライトの効果を利用することで実効的なγをさらに増強できることを数値計算によって確認した。TiO2フォトニック結晶導波路を用いて自己位相変調を行うためには、できるだけ広帯域で低分散な構造が必要である。本年度の研究では、格子点の配置を操作することで広帯域でスローライトの効果が発現する構造の探索を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
チャネル型ZnO導波路において設計上得られる最高値に匹敵するγを実験的に得る事に成功しており、チャネル型ZnO導波路の構造最適化は完了した。 TiO2導波路については、フォトニック結晶構造の導入により当初の計画以上のγが得られる事を数値計算により確認している。 ZnO導波路における二次高調波発生については、平成24年度実施予定であったが前倒しで位相整合手法について検討を進め、モード間位相整合による高効率な二次高調波発生方法を提案している。
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今後の研究の推進方策 |
TiO2フォトニック結晶導波路を実際に作製し、パルス光入射時の自己位相変調効果を観測する。 ZnO導波路における位相整合構造を実際に作製、二次高調波の測定を行い高い変換効率を実証する
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次年度の研究費の使用計画 |
導波路構造作製に必要な基板や電子線露光装置使用料、光学測定に必要な消耗品等の購入に使用する。次年度は本提案の最終年度であるので学会発表及び論文発表のための費用も計上した。今年度の研究費において68,798円の未使用が生じたが、これはプロセスの条件出しに必要なTiO2基板を購入するためのものであった。しかし既存のTiO2基板を細かく裁断することで、プロセスの条件出しをすることができたため今年度の研究では購入する必要がなくなった。次年度はこの未使用金でEBレジスト等のプロセス消耗品を購入する予定である。
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